マスコミの無責任

神奈川県の受動喫煙防止条例が大幅な内容後退ののちに、可決される見通しだということを、先日お伝えしました。

確かに、当初の理想と比べれば、雲泥の差があることは十分承知しています。それでも、罰則付きの条例が制定されることは、大きな意味があるわけで、当ブログではこの条例を好意的に受け止めています。

ところが、条例制定の見通しの各新聞社の報道に、腹立たしいものがいくつか含まれていました。

毎日新聞
受動喫煙防止条例:修正案、実効性に疑問も 知事、罰則期日入り意義強調 /神奈川
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090319-00000057-mailo-l14

読売新聞
受動喫煙防止条例 対象外拡大の折衷案
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20090319-OYT8T00137.htm

特に、毎日の「解説」はひどかったです。何を偉そうに言っているのだか。本当に口だけですね。

私は、毎日・読売をはじめ、各マスコミに言いたい。

あなたたちは、受動喫煙の害を読者に正しく伝えているのですか?と。知事の当初の条例案に賛成し、反対勢力に対して厳しく紙面で非難をしたのですか?と。

私の知る限り、今回の条例に対し、マスコミがやったことは、条例賛成派と条例反対派の両方の意見を併記しただけです(一部の新聞では社説で条例に対し、賛成を表明していましたが…)。

マスコミの存在意義を考えれば、受動喫煙の害について正しい知識を購読者に周知し、「売り上げが減る」などと恥ずかしげもなく言い放つ飲食店業界の関係者を紙上で批判し、より厳しい喫煙規制条例の制定にむけ世論形成に尽力する必要があるのです。

にもかかわらず、マスコミはそれをして来ませんでした。それはそうでしょう。購読者の中には喫煙規制に反対している人も多いでしょうから。

だとしたら、条例が可決される見通しになっても、その姿勢は貫いていただきたい。

条例が成立することが決まったとたん、

事実上「抜け殻」の条例

などという、知事をはじめとする関係者を馬鹿にした表現で書きたてています。恥を知って欲しいです。抜け殻になったのは、マスコミの責任が大きいのですから。

今回の条例によって、受動喫煙をさせることは、罰則(科料)のある、犯罪行為と「ほぼ同じ」であることが認められたのです。健康増進法の「努力義務」とは全然重みが違います。規制の対象が業種や規模によって異なることは残念ですが、それでも「受動喫煙は悪」ということがはっきり示されたことになります。

そこを、マスコミは全然わかっていません。それに、条例は今後も見直すとのことです。世の中、タバコの規制が緩くなることはほとんどありません。

次回の見直しまでに、役にたたないマスコミなどをあてにせず、罰則付きの条例を活かして、反たばこの世論を作り上げていくことが、必要であると考えています。

【追記】
上記で紹介した毎日新聞の記事の中に

> ◇条例案の施設区分◇
> 【禁煙義務付け】

とありますが、条例はそこまで求めていません。受動喫煙対策が必須なだけです。
確かに、公共的空間は禁煙ですが、完全に隔離された喫煙所を作ることは可能です。
要は、分煙でいいのです(残念ですが)。

> 【分煙選択可】

これも誤解を招きます。受動喫煙対策は必須です。しかし、公共的空間での喫煙=喫煙席が
認められています。完全に隔離されていれば、その中に入って、タバコを吸いながら、
例えば食事ができます。その中には、未成年を含む従業員は立ち入らなければなりません。
ここが問題なのです。

つまり、毎日新聞は条例について、正しく理解「さえ」していないか、正しく伝えることが
できないのです。

現在、マスコミは経営が厳しいそうですが、この件だけを見ても、当たり前だと思います。


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