月曜日, 7 月 21st, 2008 Posted in タバコ問題 | 8 Comments »
中央公論8月号の松沢神奈川県知事の文章を要約して紹介します。 神奈川県が禁煙条例制定に立ち上がった理由 ~松沢成文神奈川県知事が「中央公論8」へ寄稿する~ 【前文】 神奈川県の「公共施設における禁煙条例(仮称)」の基本的考え方。 「公共施設での喫煙を原則禁止し、罰則を適用する」この条例は喫煙者を排除しようとするものでもない。喫煙者の自由を尊重しながら、非喫煙者の健康被害の防止にある。 これに対する反応は「パブリック・コメント」等を通じて1ヵ月で2400件を超えた。 利害関係にある、喫煙者と非喫煙者双方が解決策を見出していこうとするのは民主主義のあるべき姿である。条例制定に向け県民や国民による活発な議論を期待したい。 【受動喫煙対策後進国・日本】 わが国も、2005年2月[たばこ規制枠組条約』は発効し,さらに、2007年には、「たばこの煙に曝されることからの保護に関するガイドライン」が条約締約国による全会一致で採択された。その結果、2010年2月までに公共的施設における完全禁煙を実現する法的措置を講じなければならないのである。 【受動喫煙から自由な国々】 米国のほとんどの州で、刑法喫煙規制が実行されている。 EU加盟国でも25カ国中14カ国で禁煙措置が法制化され、年々拡大している。 4月調査した香港では、昨年1月からレストラや映画館、オフィスなどを禁煙とした。飲食店の経営者から、当初売り上げが減少したが、しばらくすると非喫煙者や妊婦さん、子連れの客が増え、ほとんどの店で売り上げが回復した。そして2009年からは、その対象をパーやナイトクラプ、麻雀店にまで拡大する。 【立ちはだかる煙の壁】 日本の現状は、2003年に「健康増進法」第25条で、多数の者が利用する施設における受動喫煙防止措置が「努力義務」として課せられた。 法の施行後、取り組みは進んだ。官公庁や百貨店や小売店でも禁煙は進んでいる。禁煙飲食店も一部にある。神奈川県では2007年7月から、業界団体の英断でタクシーが全面禁煙となった。しかし、健康増進法はあくまで、「努力義務」を課したものである。たばこ規制枠組条約のガイドラインからはほど遠い位置にある。 【条例制定へ立ち上がった理由】 神奈川県だけ条例で規制する理由は、第一に受動喫煙による健康被害を防止することにある。受動喫煙は「危険」という認識である。個人の努力では防ぎきれない健康被害を守ることは、行政としての当然の義務と考える。また、たばこ問題をがん予防の最も重要な対策と考えている。 【放置できない国政の怠慢】 第二の理由は、国民の健康と税収を秤にかければ健康を重視すべきである。厚生労働省は財務省に徹底した戦いを挑むべきだ。しかし、そうした姿勢は微塵もない。国が動かないのであれば、神奈川県から動かしていく覚悟である。 【神奈川県が推進力になる】 第三は、国際条約やガイドラインの精神を可能な限り体現した条例を制定することにより、早期の国内整備を神奈川県から促していく契機とする必要があると考えた。 受動喫煙防止という世界の潮流を全国に発進していくことが、「空気のきれいなまち、健康なまち」という都市のブランドイメージを高め、日本をリードしていきたい。それが神奈川県民の誇りとなっていくだろう。 【沸き起こる議論と神奈川県の考え】 皆様の意見を抽出して、県の基本的考え方を説明したい。 1、条例による規制は、個人の嗜好を制約するファシズム?⇒プライベートな空間での喫煙は自由である。条例の目的は、非喫煙者が受動喫煙により被る健康被害を防ぐことにある。受動喫煙は「迷惑」を超えた「危険」に他ならない。 2、議論が足りない?⇒これは改革につきものの言葉。これまでもパブリックコメントで意見を頂いてきた。又、昨年来8ヶ所での「タウンミーティング」で、県民、施設管理者、たばこ販売や製造業者の話し合いにも臨んだ。併せて、医療や法律の専門家からなる「検討委員会」や県議会でも議論をいただいてきた。さらに、県民の意識や施設の実態調査も実施し、公表している。ちなみに、調査結果では9割近くが賛成を占め、喫煙者の7割近くが賛成している。こうして「基本的考え方」は作成された。 3、喫煙者の追放では?⇒条例は、両者の共存も視野に入れるルール作りである。よく、「飲食店や娯楽施設は対称にすべきでない」という意見も聞くが、「危険」が官公庁か民間かで変わるはずはない。また「健康増進法」でもそれらの施設まで含まれている。 4、税収への影響は?⇒地方財政にもたばこ税は重要な収入源である。しかし私は、税収確保のために、受動喫煙の危険性は甘受しても仕方がないとする考えに反対だ。受動喫煙防止措置を講ずることにより、喫煙嗜好が低減し、中長期的には医療費の縮減につながり、アイルランドに見られるような、税収減を上回る財政的メリットが生まれる可能性もある。 5、分煙で十分?⇒分煙では完全に受動喫煙を避けられないこと。従業員の健康被害を避けられないこと。完全分煙には経費負担に格差が生じたり、対応が困難な施設も生ずる。 【神奈川県の先進力で日本を変革する】 私は、条例の制定を社会変革であり、県民が社会との関わりについての意識変革を求める取り組みと考えている。受動喫煙に関する中途半端な知識やマナーが、公共性の限界を示している。誰でも安心して空気を吸えるという当たり前のことの実現するために、二期目の知事選で私のマニフェストの第一が、「公共施設における禁煙条例」である。政治家として私の県民への約束であり、責務であることを強調したい。今後も議論を重ね、喫煙者と非喫煙者が共存する、秩序ある健康的な社会への変革を実現していきたい。 以上 ~たばこ問題では、路上喫煙に罰則、タクシーの全面禁煙化、大幅増税論など、少し前には想定外の現象が起きています。神奈川県禁煙条例もその一つではないでしょうか。実施してよかったと喫煙者からも必ず、評価されると思います。 Read more..月曜日, 7 月 14th, 2008 Posted in タバコ問題 | 4 Comments »
先日、「(神奈川)県の調査では9割近くが賛成している」という話に触れましたが、出所を発見しました。 神奈川県 保健福祉部 健康増進課 の調査結果です。 http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/kenkou/gan/tobacco/pdf/anckekka.pdf#page=165 この報告書のP.162~163がその記述です。 この報告書は、読み込んでいくと、非常に興味深いです。 禁煙に一番理解があるのは、40代で、次が、30代と50代、あまり理解がないのが、20代と60台以上、という感じです。 今回、「条例による喫煙規制が望ましい施設」で唯一、50%以下(32.3%)であった、「ゲームセンター等娯楽施設」は、なぜここまで支持が低いのでしょうか? ゲームセンターは、未成年でも利用します。パチンコ・パチスロでさえ、18歳以上20歳未満の人が利用することもあります。それなのに、なぜなのでしょうか? 今回の調査結果は、主に利用する人の判断によるものです。ですので、「受動喫煙が嫌ならば、利用しなければ良い施設」と思われた可能性があります。 しかし、受動喫煙の防止は、非喫煙者の利用者だけに対するものではありません。従業員と、喫煙者でさえも、受動喫煙から守る必要があるのです。 私は、「従業員は受動喫煙から守られるべきか?」というアンケートを取って欲しいと思います。多くの人が「守られるべき」と回答してくれることを期待します。そして、間違っても、「従業員が判断すべき」なんて回答はしてほしくありません。 私は、受動喫煙が原因で、職を変えた人や、職場と交渉をしている人を沢山知っています。当たり前ですが、全員が不幸です。また、受動喫煙で発症した人も知っています。こちらはもっと不幸です。 受動喫煙を防止する条例、これになぜ反対できるのでしょうか?一斉にやれば大丈夫です。タクシーを見てください。 喫煙の可否と売上は本来関係ありません。喫煙ができなくなれば、お客が来なくなるような業種や施設は、不要だったということなのです。厳しい言い方ですが、世の中営業努力が必要なのです。 話を戻しますが、今回のアンケートは喫煙者も回答しています。喫煙者を含む人々の半分以上が、娯楽施設を除く全ての施設に対し、「条例による喫煙規制が望ましい施設」と答えています。 この結果を、神奈川県は重く受け止めるべきです。期待しています。 Read more..火曜日, 7 月 8th, 2008 Posted in タバコ問題 | 10 Comments »
7月8日「読売新聞」朝刊(解説欄・論陣論客)を要約します。 【ポイント】 神奈川県の娯楽施設を含める「公共的施設」の罰則(内容は検討中)付き屋内全面禁煙条例案が議論となっている。 松沢成文神奈川県知事50歳(禁煙暦13年) なぜ、条例が必要か?→自主性に任せるのでは受動喫煙の防止は進まない。 条例制定をいま、目指す理由は?→公共的施設の禁煙は世界の潮流。国は税収懸念から消極的だ。ならば、神奈川県からルールを作り、国の決断を迫ろうと思った。 売り上げ減少の心配は?→先行した鎌倉の飲食店では増えている。 完全分煙では不十分か?→分煙は設備投資がかかる。分煙は従業員が受動喫煙する。 罰則付きは厳し過ぎないか?→実効性を上げるためだ。喫煙者にも支持する人もいる。 税収が減り、財政にマイナスでは?→神奈川でも175億の税収がある。しかし、私は税収より健康を優先する。徹底した行革で県民福祉の減退を防ぎたい。喫煙者が減ると、関連する病気が減り、医療費も減ってくる。 たばこは合法的な嗜好品だが?→喫煙者を社会から締め出すわけではない。意識改革なくして社会の変革はあり得ない。 阿部裕司日本たばこ協会専務理事59歳(愛煙家) 条例案の問題点は?→条例案に反対ではない。一律禁煙でなく、喫煙の自由や営業の自由とバランスが取れていない。喫煙者にも一定の配慮を頂きたい。 社会にマイナスの影響は?→バーやレストランを禁煙にしたイギリスではマイナスもあったと聞く。 県の調査では9割近くが賛成しているが?→回答者は、公共施設の中にパチンコ店まで入ると想定していないはず。 それぐらい規制対象を広げないと、受動喫煙は防げないという声もあるが?→喫煙、分煙、禁煙を表示して利用者に選択させ、非喫煙者がリスクを避けられるようにすべきだ。喫煙の考え方は事業者の裁量に委ねられるべきだ。 選択不可能な施設では?→喫煙場所をつくること。一律禁煙でなく「完全分煙」で目的は達成できる。両者が共存できる仕組みが望ましい。 日本は規制が緩いというが?→日本にはまだ相当数の喫煙者がいる。条約の実現は各妥結国に任されている。日本では、健康増進法で分煙がかなり進んだ。県が店頭表示の指針をつくることで、受動喫煙の防止はさらに進んでいくと思う。 罰則付は反対か?→条例で一律禁煙にすること自体、バランスを失した規制。罰則以前の話だ。趣旨は殆どが賛同しているのだから、事業者の自主性、県民の判断に委ねれば良い。 【寸言(横浜支局溝口徹)】 規制の緩い場所では、近くに子供がいても吸う大人はいる。そんな姿を目にすると松沢知事の主張は納得できる。 ただ、阿部氏が言うように、大人が集う居酒屋や娯楽施設まで規制するのは疑問で、愛煙家が周囲にもっと気を使うようになるPRが考えてみては・・・。議論の余地はまだあると思う。 **************************************** 松沢成文知事のたばこ問題に関する高い意識に敬意を表します。特に「分煙は従業員が受動喫煙する」に感動しました。 それに反して阿部裕司氏はニコチン依存者の意見に過ぎず、ブログへの掲載もはばかれる内容です。また「ジャーナリスト」は、たばこ問題に関しては両論併記の愚かさに気付き、社会の木鐸としての気概を持って欲しいと思います。 Read more..火曜日, 7 月 8th, 2008 Posted in タバコ問題 | 2 Comments »
顔認証のタバコの自販機が財務省に認可されたというニュースを見ました。 財務省のHP http://www.mof.go.jp/jouhou/sonota/sio_tbk/kisyu200704.pdf 以前にも書きましたが、この顔認証自販機は、お札の肖像すら成人と認識してしまう、欠陥品です。顔認証のソフトウェアをバージョンアップする予定らしいですが、100%認識するはずがないのです。 誰でも思いつくことですが、20歳の誕生日を境に、的確に識別できるはずがないですし、年齢に似つかない顔立ちの人だっています。 私はシステム関連の仕事をしているのでよくわかるのですが、コンピューターというのは、融通が利きません。顔認証は骨格としわで判断するらしいので、例えば、両手を頬の上に乗せ、しかめっ面をして認証させれば、未成年でも認証されるかもしれません。 私は、日本で1人でも未成年が成年と顔認証されることがあれば、この自販機は認可されるべきではないと思っています。 タスポだって、親のカードを持ち出すなどして、未成年が購入できてしまう可能性があります。しかし、それは自販機に問題があるわけではありません。しかし、顔の誤認証は、単純に機械の問題です。いわば、欠陥です。欠陥品が認可されるのは間違っています。 なにか良い方法で、未成年でも認証できるということを証明できないかと考えています。例えば、警察とタイアップして、非行防止の観点から、顔認証を検証するなどでき、もし、未成年が認証されてしまうようなことがあれば、自販機の設置を差し止める理由になるとおもうのですが・・・。 Read more..木曜日, 7 月 3rd, 2008 Posted in タバコ訴訟 | No Comments »
3人の裁判官が入れ替わって始めて、第17回口頭弁論(5月14日)が横浜地裁101号法廷で開かれました。 冒頭、片山律弁護団長から、「"忌避"も検討しましたが、私たちは東京裁判(第一次たばこ病訴訟)とは別な裁判と位置づけているので忌避はしません。公正な判断を望みます」と訴えると、水野邦夫裁判長は「ご意見は承っておきます」。 今回は、被告国・JT側の証人、蟹澤成好氏(横浜市立大学名誉教授)の証人尋問でした。 蟹澤証人が、がんの要因は化学物質だけではなく、物理的要因、生物的要因、食物、体質、家系、民族、遺伝など沢山ある。「がんの原因は未だ解明されていない。」、「喫煙とがんを結びつけるのは早計。」と証言し疫学上証明されている、タバコと肺がんの因果関係を否定しようとしました。 ※詳細は、「たばこ病をなくす横浜裁判」ホームページ-裁判日誌17 http://www13.plala.or.jp/tabakobyounin/27boutyouki17.html 原告側谷弁護士の「証人は喫煙者ですか?」の質問に蟹沢成好証人は、「いいえ」。「ほぅ!辞めたのですか?」、「生来です」、「それは健康のためにですか?」、「自分には口に合わなかったから」。同じく片山弁護士が「今までにJTに何か意見を言ったことがありますか?」、「・・・・」、「例えば、たばこからベンツピレンを除いた方が良いとか?」、「質問されたらいったかも知れませんが・・・もぐもぐ」。また、「現在、JTへ週1回6時間の勤務で35万円の報酬」。「今回、意見書作成の報酬は決まっていないが、東京裁判では『105万円』でした」との証言には、JT側から「何時間ぐらいを要したか?」、「自宅へ持ち帰って100時間は下らなかった」でした。 医学的難しいやりとりより、私にはこの様な俗っぽいやり取りの方が分かりやすかったです。失礼ながら蟹沢証人はかなりの高齢です。被告は、蟹沢証人の証言にハラハラしたことでしょう。裁判終了後「証言に矛盾が広がって答えに窮する状況になった」と原告弁護団から感想がありました。「今後、蟹沢氏のようなJT側の証人になる医学者はいないだろう」ということも小耳にしました。 国は「尋問は何もありません」でした。なお、第一次タバコ病訴訟(東京裁判)では、厚生省内部で、「喫煙の結果、肺がん、喉頭がん、肺気腫に疾病すること、ニコチンに強い依存性があって止められなくなることを知りながら、これを隠蔽し喫煙をあおってきた被告らは、故意責任を負うべきである」という原告の主張を基本的に認めるべきだという真面目な議論があったらしいと伊佐山芳郎著「現代たばこ戦争」にあります。 4月1日、3人の担当裁判官が全員交替したことについて、4月14日最高裁へ公正な裁判を求める書面を持参した渡辺文学さんらは、雨の中を20分以上も待たされた挙句、秘書課の人間が敷地の外で受け取るという失礼な応対を受けたそうです。 6月13日、水野・森下・高橋の三原告と「たばこ病訴訟を支える会」の渡辺文学さんらは、裁判応援署名2046筆(インターネットによる電子署名も含む)を横浜地方裁判所に持参し、公正な裁判の要請をしました。 ※裁判官交代の不当人事について http://www13.plala.or.jp/tabakobyounin/080414saibansyo-mousiire.pdf 裁判の応援署名をお願いします。(署名用紙に記載されている住所にお送り下さい。) http://www13.plala.or.jp/tabakobyounin/ouennsyomeiyousi.pdf 電子署名(インターネット上で署名)は、「たばこ問題情報センター」のホームページからできます。 http://www.tbcopic.org/index.htm 次回、第18回裁判7月9日(水):横浜地裁101号法廷(結審予定) 12時20分集合 証人尋問:大河喜彦氏(JT顧問) Read more..