3人の裁判官が入れ替わって始めて、第17回口頭弁論(5月14日)が横浜地裁101号法廷で開かれました。
冒頭、片山律弁護団長から、「”忌避”も検討しましたが、私たちは東京裁判(第一次たばこ病訴訟)とは別な裁判と位置づけているので忌避はしません。公正な判断を望みます」と訴えると、水野邦夫裁判長は「ご意見は承っておきます」。
今回は、被告国・JT側の証人、蟹澤成好氏(横浜市立大学名誉教授)の証人尋問でした。
蟹澤証人が、がんの要因は化学物質だけではなく、物理的要因、生物的要因、食物、体質、家系、民族、遺伝など沢山ある。「がんの原因は未だ解明されていない。」、「喫煙とがんを結びつけるのは早計。」と証言し疫学上証明されている、タバコと肺がんの因果関係を否定しようとしました。
※詳細は、「たばこ病をなくす横浜裁判」ホームページ-裁判日誌17
http://www13.plala.or.jp/tabakobyounin/27boutyouki17.html
原告側谷弁護士の「証人は喫煙者ですか?」の質問に蟹沢成好証人は、「いいえ」。「ほぅ!辞めたのですか?」、「生来です」、「それは健康のためにですか?」、「自分には口に合わなかったから」。同じく片山弁護士が「今までにJTに何か意見を言ったことがありますか?」、「・・・・」、「例えば、たばこからベンツピレンを除いた方が良いとか?」、「質問されたらいったかも知れませんが・・・もぐもぐ」。また、「現在、JTへ週1回6時間の勤務で35万円の報酬」。「今回、意見書作成の報酬は決まっていないが、東京裁判では『105万円』でした」との証言には、JT側から「何時間ぐらいを要したか?」、「自宅へ持ち帰って100時間は下らなかった」でした。
医学的難しいやりとりより、私にはこの様な俗っぽいやり取りの方が分かりやすかったです。失礼ながら蟹沢証人はかなりの高齢です。被告は、蟹沢証人の証言にハラハラしたことでしょう。裁判終了後「証言に矛盾が広がって答えに窮する状況になった」と原告弁護団から感想がありました。「今後、蟹沢氏のようなJT側の証人になる医学者はいないだろう」ということも小耳にしました。
国は「尋問は何もありません」でした。なお、第一次タバコ病訴訟(東京裁判)では、厚生省内部で、「喫煙の結果、肺がん、喉頭がん、肺気腫に疾病すること、ニコチンに強い依存性があって止められなくなることを知りながら、これを隠蔽し喫煙をあおってきた被告らは、故意責任を負うべきである」という原告の主張を基本的に認めるべきだという真面目な議論があったらしいと伊佐山芳郎著「現代たばこ戦争」にあります。
4月1日、3人の担当裁判官が全員交替したことについて、4月14日最高裁へ公正な裁判を求める書面を持参した渡辺文学さんらは、雨の中を20分以上も待たされた挙句、秘書課の人間が敷地の外で受け取るという失礼な応対を受けたそうです。
6月13日、水野・森下・高橋の三原告と「たばこ病訴訟を支える会」の渡辺文学さんらは、裁判応援署名2046筆(インターネットによる電子署名も含む)を横浜地方裁判所に持参し、公正な裁判の要請をしました。
※裁判官交代の不当人事について
http://www13.plala.or.jp/tabakobyounin/080414saibansyo-mousiire.pdf
裁判の応援署名をお願いします。(署名用紙に記載されている住所にお送り下さい。)
http://www13.plala.or.jp/tabakobyounin/ouennsyomeiyousi.pdf
電子署名(インターネット上で署名)は、「たばこ問題情報センター」のホームページからできます。
http://www.tbcopic.org/index.htm
次回、第18回裁判7月9日(水):横浜地裁101号法廷(結審予定)
12時20分集合 証人尋問:大河喜彦氏(JT顧問)